今回、自分の努力や知っている方たちのご好意により、結局5回も見ることができたわけですが、今日はその最後の回なので、その総集編的な感想を書こうと思います。
私が行ったのは、
3月23日(日)マチネ 1F中央前より
3月26日(水)ソワレ 1F中央右より10列めくらい
3月30日(日)マチネ 2F中央
4月 5日(土)マチネ 2F中央右より
4月 6日(日)ソワレ 1F中央やや左よりやや後より
の5回です。本当に、行かれなかった皆様、すみません。まだまだ精神修養が足りず、切符取れてるのに、ちけぴでも取ろうと努力してしまう私であります。
5回も見ると、だいぶ、ストーリーや舞台構成も憶えてくるので、かなり落ち着いてみることができました。そして、舞台全体のこともすこし、見えたかな、と思います。
最初に見た時は、舞台全体は、ちょっと、「大衆劇っぽいベタさ」を感じてしまったのですけれど、その後、DVDでテンセイクンプーを見た時に、この2つの舞台に共通することとして、舞台の分かりやすさ(1回見るだけで物語が無理なく理解できる)と、ストーリーの構成の良さ(物語がわくわくするし、最後の急展開に、おお、そう来るか!感)があるのに気づきました。つまり、大衆劇っぽいベタさ、という言葉で表現することもできるものは、実は、ストーリーの面白さと、舞台の構成の分かりやすさなのではないかと思うわけです。階段を中心に置き、大道具や見立てで、いろいろなシチュエーションを表しているのですが、あまりにすべてが自然なために、ベタに思えたのではないかと思います。けど、これをすんなりとやってしまうところが実はこの演出家の才覚なのだろうと気づいたのです。
また、私の記憶が正しければ、おそらく最初の3回の後に、照明をかなり変えていたのではないかと思います。昨日、今日の舞台は、そのため、より深みが出たと思いますし、華やかさや、暗さの表現が豊かになっていたような気がします。特に、堤防を築く場面で、雨の表現を入れたのは、とても、状況表現として効果的だったと思います。
変えたということで言うと、殺陣も変えてたのではないでしょうか。これは、気のせいかも知れません、何しろ、最初の4回は、ほとんど大野君しか見ていないので。
私は、殺陣のことは全く無知なのですが、ちょっとかじってる姪が言うには、殺陣も全員の動きが、1、2、3・・と、ダンスみたいに決まっているそうなのです。だから、大勢なら大勢であるほど、見るのは楽しいのだそうで、テンセイのような比較的少人数の殺陣よりも、今回のような大人数の殺陣は難しいはずだ、とのこと。そして、殺陣については、相当訓練している回りと対等に殺陣をこなしている大野君は、本職で無いにしては相当上手いのだろう、とのこと。で、今回は、そういう目で、殺陣は全体で見ていたのですが、そうすると、たしかにこれだけの人の動きをコーディネートするのは大変なことだし、それを体現するのは、相当の訓練が必要なことなのだろうと思いました。
一方、表現として、スローモーションがかなり頻繁に使われていて、個人的には、これはちょっと使いすぎなんじゃない?と思いました。ただ、確かに、スローモーションにすることによる、効果というのは、かなりインパクトがあるので、まあ、いいのかな。スローモーションで行う殺陣というのは、かなり、筋力は使いそうだし、それぞれの動きが、綺麗であることを求められるので、難しい気がします。けど、1、2、3・・がゆっくりできるから、やりやすいのかも、、なんて思ってみてしまいました。
それから、布をかなり使ってましたね。布はねぇ、個人的には、「Lautrec」というフランス人が演出したMusicalを思い出しちゃうんですよね。特に、長い布で、凪が巻かれるところ。長い布が人間の心理に与える影響ってのは、「抜けられない精神的混沌」とでも言う効果なんでしょう。ちょっとこれは、私には、効果的すぎたなぁ。
また、舞台の中央で、役者さんたちが形を作る個所が何箇所もあるのですが、虫に捕まった厘が不動に囲われたところと、不動を撃った凪が捕まるところは「決まってるな」と思いました。
そろそろ、大野智さんのことを。
シリアスで陰があり剣も強く芯も強い凪はかっこいいし、大野君がそれにぴったりのハンサムであることは、すでにお伝えしたと思います。そして、声が、思ったよりずっと低めに押さえていて、それがときにはセクシーであり、時には力強く、凪の人柄の表現にすごく役立っていたことも書きました。実は、一箇所、「お、これは星飛雄馬では?」と思わせる台詞さえあるくらいです。それほどドシリアスな役柄だったんですよね。
そして、殺陣のことをちょっとだけ聴いた後に、大野君の殺陣を見ると、やはり、その運動能力の高さとリズム感の良さに支えられた、全体の中での機敏な動きが見えてきます。そして、大野君が、どんなに自分のかっこいい立ち姿を知っているかも、思い知った気がします。時々、本当にほれぼれするような太刀の構えをするのですから。
でも、今日、つくづく思ったことは、この人は、「静と動」の表現ができる出来る人なんだ、ということでした。実は、大野君、時々、「ん~、もう少し演技してもいいんじゃない、ここ」と思うようなところもあるのですけれど、彼は終始一貫して余計な演技は切り捨てていました。その代わりに、止まったままのところから、ある呼吸で、つ、と顔を上げる、または振り向く、または眼差しを変える、といった動きをするのです。たぶん、これを効果的にするために、他の余計な動きは控えていたのではないかと思うくらいです。この時の彼の顔の動きは、まるで、日本舞踊を見ているような流麗さが漂うのです。これは、彼の日本的で端整な顔立ちがさらに効果を加えているのかもしれません。ええ、もうこれは、今回たっぷり見られる見どころの一つではなかったかと思います。そして、このような間を作れるこの人には、やっぱり、日本舞踊か、歌舞伎か能か狂言かお仕舞か、どれでもいいから、日本の伝統芸能をやって頂きたいと思うのです。
ところで、5回目の今日は、ちょっと落ち着いて見られなかった部分がありました。こういう時、自分の弱さが出ますね。実は、どうやら4列くらい前に、松潤が居たみたいなんですよ。開演直後の真っ暗な時に、人が入ってきて、ちらっとシルエットが見えて、前列がややザワっとしたので、気になってしまって。どうも松本さん?って感じ。でも、わりと肩幅広いし髪の毛がかなりくるくるで、いつもの松潤の雰囲気と違って、首を傾けたりせず、まっすぐ座っているし、ほとんど微動だにしないんです。だから、やっぱり人違いかな、と思ったり。(どんだけ見てるんだ!)大野君が舞台に居ないときに、ちらちらっと見ただけですよ。けど、大野君が出ていると、逆に松潤、どんな反応かな、と見たくなってしまうんですよね。休憩の時に、さくっと出て行った彼の後姿を見たのですが、松潤ぽいロングカーディガンを着ていて、けど、きっと本物を見るとすごく華奢なんだろうな、と、推測していた割には、でかい男の人の感じだったし、身体も傾いていなくて、ほんとはどうだったんでしょうね。もし、松潤といっしょに大野君の舞台を見たのであれば、それはそれで、なんかやっぱりうれしいね!
最近のコメント