嵐のダンス
無意識ながら、若いグループである嵐に期待していたものには、踊りの技術もあったと思う。
音楽や歌唱については、あまり期待はしていなかったのだが、踊りに関しては日本人だってかなりうまくなってるはず、という思いがあった。だって、少年隊のころから、アクロバティックな部分は結構クリアしていたし、世の中的にも西洋ダンスを阻害するもの(音楽における演歌や歌謡曲のようなもの)は無いと思っていたから。
嵐の場合、音楽と歌唱・Rapが結構うまいので、びっくりしてしまって踊りのことを見る余裕は無かったのだけど、2004年のDVDを取り寄せるころになって、ちょっと気づいてしまった。嵐はダンスはとりたててうまくは無い。つーか、合わせようとしていない。(いえね、これは、他のグループとの比較ではなくて、私の期待する基準に照らしての話です)
まず、思ったのは、まあ悪くもないんだけど、なんだか、体操の延長の域をあまり脱していないなぁ、ということ。たぶん、それは、みんな「振り」は合っているんですけど、タイミングとか、細かい姿はばらばらだったからなんだと思います。いえ、私は、ダンスに関してはあまりよくわかっていないので、とやかく言う立場ではないんですけどね。でも、まあ、感じたことを、私の言葉で、書いてみようと思います。
たとえば、ジャネットジャクソンのJALのCMの頃、あのバックのDancerってほとんど一糸乱れぬ動きだったでしょ。そこが、群舞の技術の部分。それから、、そうだなぁ、River Dance(アイルランドのダンス)のSolistのDanceだとか、勘三郎の日舞なんかは、踊りに目が釘付けになるような、魅力的な動きをするのですよ、Kiev Balletのプリマとかね。こっちは、踊りの芸術的うまさの部分では無いかと思う。
そういう意味で言うと、まず嵐の5人は群舞としての統一性って、ありませんね。5人とも勝手気ままに自分のスタイルで、振りをこなしています。
大野 智さんは、おそらく5人の中でもっとも踊りの技術と能力が高いのです。だから、ターンをする時も、他の人から若干遅れたタイミングで回り始めますが、終わりは間に合います。間に合うどころか、最後に一人だけ一発ジャンプを入れるシーケンスが良くあります。それに、回る時の首の動きも、いわゆる基本に忠実な一転見つめてくるっと回るときもあるけど、じゃっかん頭を回転の外側の軌道に乗せることもあるし、いろんなアレンジを入れてるような気がする。他の動きの時も、大野君だけ腕の振りや、首の振りが余計に入っていることがままあります。また、ジャンプも、大野君だけ、上体がほとんどぶれない飛び方をします。
良く言われることですが、全体にすごく切れがいいです。これは、彼のStop → Move → StopのMoveがとても速いできるからだろうと思いますし、このスピードは、かなり意識的に訓練しないと他の人には追いつかないと思う。大野君が速いのは、おそらく多少の心得があるのと、天性のモノがあるのだろうと思っています。
一方、2004年の大野君のソロシーケンス(Top Secret)を見ても、う~ん、うまいんだろうなぁ、と思うものの、見とれる動きかというとそうでもない。それは、私が2004年の振り付けがあまり好きじゃないからかもしれない。技術的には高度なことをやってると思うんだけどね。これって、きっと、Break Dance,とかJazzとかHiphopとかそういう良くわかんないカテゴリーの中のなんかなんだと思います。そういう技術的な意味では、少し稚拙なのかもしれませんけれど、2003年(so-so-so)の振り付けのほうが好きです。
だけど、私が、ほんとに彼の才能を感じたのは、実は、Capoeiraを見た時。あの動きは、私の知ってる大野君の踊りには、あまり通じないもので、Capoeira特有というか、なんていうんだろう、時がつちかったものなのかもしれないし、マーシャルアート(武術)に通じるものなのかもしれないけど、すごく流れがある。そして、姿勢を低く取った滑らかな動き。それを、大野君は事もなげにこなしてしまってる。最初に結果だけ見てしまったんだけど、あそこまでには、もちろん、結構苦労して訓練したようですけどね。でも、それにしてもおそらく数ヶ月と思われる訓練であそこまでできてしまうのは、彼の舞踏家としての才能を感じずにはいられませんでした。彼なら、日本舞踊もできそうだ。何か、そう言った、彼の動きの美しさを追求できる方向は是非さぐって欲しいと思います。
そういう意味では、見ていないけど、彼主演の舞台のシリーズは、そのひとつの体現なのかもしれません。だから、見たいんだけど。ちらっと見たStreamの映像では、期待通り、すべての瞬間で隙の無いキレイな姿勢を貫いていました。
松ジュン
おそらく、嵐の通常の振り付け的な踊りの動きに関して言うと、大野君の次にうまいのは松ジュンだと思う。ターンのスピードとぶれなさが、大野君の次だもの。だけど、松ジュンの場合、まだまだかなぁ。と思うのは、気をつけているところ以外は、体操の延長的動きなんだってこと。まあ、いとしの大野くんも、多かれ少なかれそういう部分はあるにはあるんだけど、その違いは、動きの元が身にしみこんでいるかどうかの差ではないかと思う。
翔くん
翔君は、時々、とてもダサい動きをしている。だけど、これは、翔くんがRapperだからだと思う。Rapperのリズムというのは、ダサさと紙一重なんだ。歌唱のところでも書いたけど、翔君は、けっして民謡のリズムには落ちない。けど、民謡ぎりぎりのところにいる、これがRapだ。で、まあそれ以外は、まあ、すごくうまいダンサーってわけじゃないよね。
そうそう、2006年のソロコンサートで使ったと思われる「俺達の唄」の振りだって、大野君がやってるほうは、わざとらしいダサいダンスなんだけど、翔くんがやってる方は、わざとなんだか、普通なんだか良くわかんないダサいダンスなんだ。
にのみ~は、どうも関節が柔らかすぎるのか、たわみが大きくて、女の子っぽい動きになることが多い。特に、うでを90度に曲げる時とか。あと、一人だけおひざを曲げて片足をあげる時があるけど、これは、女の子の写真に写るときのポーズだぜぃ。
にのみ~はね、それ以外は、どこがいけないのか、あまり良くわかりませんが、なんだかなぁ。もしかして、動きを大きくとろうとしすぎているかもしれませんね。
相葉ちゃんは、ここでも、一人だけ別な感じの位置にいる。彼は(ま、他の子もだけど)リズム感はよいので、流れを阻止するようなことはないのだけど、技術的には、結構自己流だと思う。だけど、そこがチャーミングになるところが相葉ちゃんの特性。
まず、関節は特に柔らかくなさそうで、しなやかな動きって感じのものは見えないけど、手足が長いわりに、それをもてあましてはいない。リズム感のよいダンスって感じ。けど、回るタイミング、なんか違ってるんだよなぁ。大野君が回り始める前に回り終わっていたりとか、たいてい少し早く回り始めすぎる。だけどね、彼は、良く首をかしげながらターンするのだけど、それはサラサラ流れる直毛とあいまって、かなり魅力的な動きだ。そのあたりは、誰に指導されたわけでもなくて、彼の感性がそこで、そうしろ、と彼自身に指示してるんだと思う。そういうところが、この人の可能性の計り知れないところ。
だけど、それ以外は、相葉ちゃんはもっとも、体操の延長っぽいかなぁ。
話は、大野智に戻る。彼のSoloのパートでは、振付師は、他の人の技術を考えずに大野君の良さを最大限引き出せる振りをつけることが可能だ。だけど、ここで問題なのは、後ろを固めるJr.たちの技量。おそらく、間違いなく、Jrの中でもダンスがうまい子立ちをつれてきてはいるんだろう。だけど、みてるとやっぱりたぶん、大野君が一番うまい。こういう時、ず~っと前にどこかで読んだ記事を思い出すのです。「ジャネットジャクソンやマイケルジャクソンは、後ろのダンサーにひけを取らないくらい踊れるから、やりやすい。」という言葉。当時、私は、やっぱりマイケルとかジャネットは、踊りうまいと思っていたので、後ろのダンサーがそれにあわせて踊れるのがすごいと思っていた。だけど、あの後ろで踊ってる人たちって、もっとうまい人たちだったのね。ま、歌手だから、ダンサーほど踊りがうまくなくても仕方ない。だけどそう考えると、彼らは、そういう時(PVを収録するとかコンサートの)でさえ、その中で踊ってる緊張感とか、教えられることとか結構あったのではないかと思ったりします。だから、ますます上手になるというかね。

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