2021年1月28日 (木)

制約理論(TOC)とは・・・ 制約理論について(1)

もともとTOCとYogaの事を書こうと思って始めたBlogなのですが、これまで全くTOCの事を書いてきていなかったので、書きます。(以下は過去別のBlogで書いたものをほぼ引用してます)
Toc

いろんな事、特に企業活動は上記の様にInputを処理してOutputとしているシステムと考えることができます。
単純化のために、上記の図を工場と考え、材料というInputを5つの工程で処理加工してOutputとしているとしましょう。各工程は単位時間あたりに20、15、10、12、16の処理能力があるとした場合、この工場の単位時間あたりの生産量はいくつになるか、考えてみましょう。

生産量は、一番能力の低い10で決まります。この事はちょっと考えれば当たり前のことですね。

この工場の生産性を上げるために、何をすれば良いでしょうか。そうです、10の生産能力の工程の能力を上げれば良いのです。10を11にするだけで、生産性が10から11になります。つまり1割の生産性アップです。

20の工程や15の工程の処理能力を上げる試みは、生産性の対しては何の影響もありません。

制約理論が言っていることは、簡単で、
・ システムの効率を上げるためには、制約に集中して改善すること
だと言うことです。制約以外の所に労力をかけることは意味のないことなので、やらない方が良いと言うことです。

ところが、現実では、システムの制約を見つけることをせず、みんながそれぞれ頑張ることが要求されている事がなんとも多いのです。
上記システムは単純化のために、工場の例で説明しましたが、市場環境をInputとして、「企画」「設計」「製造」「流通」「小売り」を通して商品を市場にOutputするという企業活動としても考えることができます。
各組織は、秋ごろから年度末にかけて予算を立てると思いますが、その中には、基本的な活動に加えて、来年度強化したい活動に対しての予算も入れるはずです。ところが、立てた予算というのは多くの場合そのまま承認される事はありません。会社だって原資は限られていますが、みんなの出した要求予算を合算するとそれを越えてしまうからです。そうすると、各部署には削減の指示が来ます。しかし、多くの場合、誰も自分の建てた予算に削れるような部分は無いと思っているので、なかなか下がらない。。となると最終的には、
「各部 一律1割削減!」
という決定が下ると言うのは、ごく普通の事です。(これを見込んで初めから1割くらいの余分を盛り込む輩も多いのです)
しかし、もし、「企画」「設計」「製造」「流通」「小売り」のうち、「設計」が制約だったとして、その予算には設計の能力アップに係る案件が入っていたとします。同様に「企画」「製造」「流通」「小売り」も能力アップの予算を積んでいると思われるわけですが、制約以外の能力アップは全体の能力アップには関係ありません。つまり、これらの予算は削減しても良いですが、制約である「設計」の予算も削ると、この会社の能力を上げることはできなくなってしまいます。あるいは、10を11にできるはずだったものが、10を10.5にしかできないで終わってしまうことになります。

つまり、「制約以外の組織の能力アップはやる必要がない。そこにはお金も人も時間も掛ける必要はない。」一方「制約の組織には、お金も人も時間も掛けると成果につながる。」のです。

これが制約理論(TOC)の基本です。

制約以外に改善の労力をかけるのはやめて、制約の改善に集中することで、お金も人も時間も最小で最大の成果を出すことができるのです。また、実際に制約を改善すると、成果がすぐに表れるので、実際にやっている人も達成感があり、やりがいにもつながります。それどころか業績が上がって、みんなのボーナスが出るかもしれません。そうなるなら制約以外の組織も、積極的に制約組織を助けるでしょうし、調和も生まれます。

まとめると制約理論(TOC)を、一言で表すならば「集中」です。例えば上記、生産の例なら、「生産性を上げたければ制約を特定してそこに集中しなさい」と言うことです。ところが、あれも、これも全部に集中しろ、と言うことがよくあるのですが、全部に集中すると言うのは、すなわちどれにも集中しないと言うことです。
本当の集中をもたらすためには、今はやらないことを決める必要があります。そしてその決め方は、制約なのか制約でないのかを見極め、制約以外の改善に対して「今はやらない」と決断することが必要です。

宇宙船レッドドワーフ号

私はHHGG(Hitchhiker's Guide to the Galaxy)やダグラスアダムスが好きですが、そもそもイギリスのSFコメディに、はまったきっかけは、日本でも放映された「宇宙船レッドドワーフ号」です。原題”Red Dwarf”のシリーズ8が放映開始の頃、私はイギリスに住んでいたのですが、BBCで主人公のリマーがリマー式敬礼をしているシーンを映す予告編が死ぬほど頻繁に流れておりました。その時は「なんだこれ?!」と思ってたもんです。その後、知り合ったイギリス人の友人が「面白いから見てみれば?」と半ば押し付けで、シリーズ1からビデオを貸してくれたので、仕方ないので英語も良くわからないのにひたすら見ました。よくわからない言語でSFコメディを見ると言うのはけっこう大変な事で、英語が分からないから変な事を言っているように聞こえるのか、それともSFだから荒唐無稽なのか、はたまた単にジョークでおかしなことを言っているのかが判然としないわけです。そのため、話の内容が少しでも分かるまでに、1話につき3回くらい見る必要があったのです。しかし、そんなに見ていると、いつのまにか好きになってしまい、シリーズ1を見終わるころには、早く次のビデオを借りたくなっていました。

ちょうどその頃、NHKが日本で全シリーズの放映開始していたのです。おりしも、Webが一般化してきたころで、宇宙船レッドドワーフ号のWebサイトを開設した日本人がいたのです。おかげで、イギリスにいながらにして、そのサイトの掲示板を通じ、日本のレッドドワーフファンと知り合いになりました。その人達がHHGGの事を教えてくれたと言うわけです。

さて、Red Dwarfの設定をざっと説明しておきます。Red Dwarfは採掘のための宇宙船の名前で、大勢の坑夫を載せて遠くの星まで行くため一つの都市くらいのサイズの船なのです。採掘に行く航行中に、船の中で放射線漏れの事故が起き、宇宙船のコンピュータホリーは、ステーシスと言う時間が進まない空間に入れられていた主人公のリスターを放射能レベルが十分低くなるまで300万年閉じ込めていました。ステーシスから出てきたリスターは、最後の人類として一路地球を目指す、と言うのが第1話です。ちなみにリマー式敬礼のリマーはホログラムです。登場人物はホリー、リマー、リスターともう一人(一匹)、300万年の間にネコから人間型に進化したキャットと言う生物もいます。

HHGGでは、究極の問いの答えをコンピュータが750万年かかって計算したのですが、こちらは300万年。いずれにしても、何百万年って時間単位がすぐに出てくるあたり、さすがダーウィンの国だな~、と思ったものです。

実は、Red Dwarfも好きすぎて、ファンコンベンションにも何度か行ったほどなんで、これについても少しづつ書くかもしれません。

2021年1月26日 (火)

家には時々お客さんを呼ばなきゃいけない Dr. Parkinson Said (3)

パーキンソン博士は、ミセスパーキンソンの法則と言う本も著しています。それは別に奥さんのことを書いているのではなく、家庭制度やその過ごし方についてパーキンソン節でいろいろ書いてるんですが、ところどころ、金言がちりばめられています。

その中の一つ

「家はお客の訪問を受ける必要がある」

そうそう、私もうすうす、そうじゃないかと思ってたのよね~。たぶん、誰しもが言われてみればその通りと思う言葉ではないでしょうか。博士によれば、それは、「本は読まれることが必要であるのと同じ」だし「決して上演されることの無い脚本は脚本ではありえない」ように、自明なことらしい。

「家と言うのは特別な場合に際して手をかけてやらないと日一日とみかけが悪くなっていく」・・・あ~、その通りです!!友達を時々呼んでた頃は、それによって、とりあえず、体裁が整うくらいには整理整頓してたし、「だから、時々来てね」なんて友達に言ってたもんでした。でも、だんだん呼ばなくなると家がゴタゴタになるから、ますます呼べなくて。。。おっさるとおり。

「口うるさい義理のお姉さんの訪問をきっかけに庭用家具のペンキをぬりなおす」・・・ですよね~。

博士はその後、延々と、どういうことに気をくばりながら、どんな段取りで、どういう態度で客人を迎えるか、とか、20世紀初めごろの羽振りの良かった貴族のパーティやり方の説明とかいろいろ説明しています。その部分は面白いんですけど、現代日本人の我々には役には立ちません。でも、もう珠玉の言葉を書いておきます。

「家はお客の訪問を受ける必要がある」

2021年1月24日 (日)

呼吸とテニスボール Yoga(1)

本日Yogaのレッスンで、テニスボールを使って、頭(天柱)と肩と肩甲骨を刺激しながらの呼吸をやりました。なんでも、女性は40歳を過ぎると首まわりが固まってきて、それがいろんなところ(特に指)に影響を及ぼしているのだそうです。

実際やってみたけど、実は、本当に正しい場所にテニスボールを置けているのかどうか、自信がなく、「これでいいんかな~?」と思いながらやっていました。だから効果があるか?と少し心配でしたが、終わってみると、なにやらむっちゃ爽快

そして先生は、「受講している人全員にYogaの先生になってほしいと思ってるの!」とおっしゃり、「今日のレッスンは絶対良いので、良いと言うことを回りに伝えてほしいの!」「本当に良いことが伝わればやってみたいと言ってくる人がいるから、そしたら、今日と同じように指導してあげてください。」とのたまうのです。

たしかに、今日やったことだけなら、自分でも人に教えられそう。それに、今、とても爽快。明日、会社の人とテレコンなので、まずは、それを伝えようっと!

2021年1月22日 (金)

マービン the paranoid android  ダグラス・アダムス(3)

銀河ヒッチハイクガイドは、魅力的なアイディアやジョークをたくさん生み出している。その一つは、もちろん「人生、宇宙そしてすべてに対する答え」であるけれど、それ以上かもしれない人気はマービンと言うロボットである。

ロボットなのに、憂鬱だし、性格が悪い。だけど、ロボットだから基本的に人間(やその類似の宇宙人)の言うことを聞くけど、一言多い。

ラジオシリーズやTVシリーズでは、ガシャーンガシャーンと音を立てながら歩いてくる。そのゆっくりな音と、ゆっくりな喋り方、しかも非常に低いすてきな声で耳には心地よいのだが・・・・言っている内容はイラっとくる。なにしろ、地球サイズの頭脳を持ったロボットとの事で、頭が良すぎて常に力を持て余しており、退屈しすぎて「憂鬱なロボット」となっているとみえる。結果として、性格がねじ曲がってしまったらしく、愚痴の多い年寄りと言った感じ。しかし、TVシリーズでは、小学校の学芸会感の漂う段ボール箱を組み合わせて作ったような原始的な風貌で、性格ににつかわないアンバランスがまたいいのかもしれない。(写真)

それでもそんなに人気があるのだ。かく言う私もマービンは好き。たぶん理由は、声が良いから?

私が一番気に入ってるマービンのセリフは「いつも身体の左側のダイオードが痛むんです」

人間って意外と、多少の性格上の問題は受けいれられるのかもしれませんね。ネコや犬だって結構身勝手だけど、好きだもんね。

Marvin_20210117150801

2021年1月21日 (木)

人は自分の言いたいことを喋る Dr. Parkinson Said (2)

たしかに、日常生活でも、TVの討論番組を見ていても、質問に答えているようなふりしてちっとも関係ない話をしている人は良くみかけます。

パーキンソン博士が「はっきり認識しておく必要がある」と言っているのは「自己表現にはふたつの形があることだ。ひとつめは、持ってうまれたもので、もう一つはあとから学んだものだ」とのこと。

続けて説明されていることは、生まれたころに泣き叫ぶのは、特別な目的はなく、なんだか気持ちが悪いことを表現するためだし、少し大きくなってからも発話するのに、これと言った目的はない。幼稚園児が幼稚園であったことを喋るのも心のうちにあることを吐き出したいだけなのだし、女性の長話も寂しさを紛らわせたり、心に溜まったなにやらのはけ口を見つけているのだと。

一方、5歳くらいから、ある子どもたちは別の形のコミュニケーションをおぼえる。それはメッセージを伝えることを目的として話すこと。これをするには、想像力を働かせて相手の立場になって、相手にもっとも伝わるような言葉を選んで話さなければならない。相手を感動させたり、相手に影響を与えるためにはどうしたら良いのか、充分に考えてから話すことが必要となる。

だけど、2つめの事が上手にできる人は少なく、これをやっているつもりでも、ついつい言いたいことを喋っているわけです。そもそもの目的は、相手に影響を与えて行動を変えてもらおうと思っているはずなのに、自分が言いたい事(多くの場合、自分が正しいと思っているから相手も正しいと思うはずという前提で)を喋っている事が多いし、自分もそうだと思う。

たしかにね~~。相手の気持ちも考えずに、自分が言いたい事だけ言っているのは、赤ちゃんがおしめが汚れて泣いているのと同じなんだ、と考えて自戒しなければなりませんね。

2021年1月20日 (水)

転生したらスライムだった件

なぜか、NETFLIXで見始めてしまった。

このタイトルは知っていたんだけど、きっと、もっとシュールな内容かと思っていました。たしか、ネット小説だったと聞いていたし、この、ライトノベル的と言うかゲームっぽいタイトルにしてはいるけど、実際は何かもっと違う話だと思っていたのです。

が、実際に見てみると、本当にゲームっぽいスライムだし、お話の展開もゲームっぽい。私はゲームをしないので詳しくはわからないのだけど、いろいろ能力を獲得していったり、いろんな王国があったり、ロールプレイングゲームっぽい話です。

で、お話全般は、なんかむちゃくちゃ強い主人公による融和の物語です。強いけど、力試しとかはせず、仕方ない時しか戦わないし、戦った後もとにかく融和。みんなに恨みが残らないような戦後処理を徹底している。これが、現代の若者の考え方なのかな、と思ったりする。だけど、常にWinWinに持っていくあたり、TOCっぽい。(やっとブログのサブタイトルに書いてあるTOCが出てきた)

この熱くもなく、かっこよくもなく、一見リーダータイプには見えないスライムは、新しいタイプの主人公なんだろうと思います。

ところで、この世界には、エルフがいたりオークがいたりドワーフがいたり、、と言うあたり、たぶん、やっぱり指輪物語が後世に与えた影響力って大きいんだろうな、と思いました。おそるべしトールキン。

2021年1月18日 (月)

銀河ヒッチハイクガイド 映画版 ダグラス・アダムス(2)

昨日、銀河ヒッチハイクガイドの記事を書いていて、いろいろ記憶があいまいなこともあったので、映画版を見直しました。

当時に映画版を見た時は、やはり、「なんだかんだ言ってオリジナルを知っているものとしては、がっかりだよな~」と思っていました。たとえば、マービンの形(憂鬱な感じが無い)。たとえば、フォード(かっこ良すぎる)

でも、今見てみると、そんなにがっかりでもないのでした。なぜって、ラジオシリーズ、TVシリーズと使い継がれた有名なセリフはそのまま使われているんです、特に最初のシーンでのアーサー、Mr.プロッサー、そしてナレーションのセリフは、ほぼ流れ全部がオリジナルのままです。私の大好きなオリジナルラジオドラマのセリフがここで風化せずに使われているのは本当にうれしい。ラジオ、TV、映画と3つのメディアそ全部で使われると、この一連のセリフはこの作品そのものなんだ、と世の中に伝えている感があり、大変うれしく思いました。そして、TVシリーズではかなりチープなセットだった惑星工場は感動的とも言える風景となっていました。

また、Castについてですが、イギリスの芸能人に詳しい人には、なかなか嬉しい、と言うか豪華な顔ぶれです。メインの4名はアーサーだけが、イギリス人ですが、脇役はほぼイギリス人で固めています。そもそも、DirectorがMusic Videoを多く手掛けているイギリス人のGarth Jenningsと言うのも、かなり意外な人選でした。

メインキャラ:

アーサーデント:Martin Freeman(オリジナルBBC版の”ザ・オフィス”で有名になった人)で、他にはThe Hobbitのホビットや、シャーロックのワトソン役で知っている方もいるのではないかと思います。オリジナルのオックスブリッジアクセントのアーサーに比べると、ちょっとイメージ違うんですけど、まあまあってとこかな。

フォードプリフェクト:Mos Def Musicianと言うかラッパー。今は、Yasiin Beyと言う名前で活動をしているそうです。フォードはロンドンの西にあるギルフォードと言う町の出身という偽のプロフィールを持っていたはずなんで、このアクセントでいいのか?とは思いますが、とてもかっこいいので許しちゃいます。でも、いつもかけてるショルダーバッグが大きすぎてダサい感じのTVシリーズにくらべて、この背の高いフォードはショルダーバッグも違和感ないし、タオルもださくない。。。

ゼイフォードビーブルブロックス:Sam Rockwell 私はGalaxy Questで知ってますが、この2つの作品はキャラが近いです。そして、オリジナルでもなんとなくアメリカンアクセントで演じられていたので、Samの英語とキャラはイメージ通り。

トリリアン:Zooey Deschanel 東ヨーロッパっぽい方、TVシリーズの金髪でアメリカンイングリッシュを喋るトリリアンにくらべると知的な感じがしてとても良いと思います。

マービンの声:Alan Rickman 日本ではハリーポッターのスネイプ先生として有名だと思いますが、イギリスの演劇界での重鎮の一人だったと思います。2016年没。(たったの69歳だったようです。惜しい俳優さんを亡くしました)

それ以外には、

Mr.Proccerには、人気のコメディユニット The League of gentlemenのSimon Penberton。2000年ごろは本当に一世風靡した人気の3人組の一人。3人は、Vogonの声で何気に出ているようです。

元々Peter Jonesが本当にはまり役でやっていたナレーションとThe bookには、Stephen Fry。Stephenはイギリスのコメディアン、小説家など等、ハリーポッターのカセットブックの朗読もしていると思います。ダグラスと旧知の仲だ言うこともあり、協力を惜しんでないのでしょう。Stephenも朗読は上手で、Peter Jonesを思い出します(やや意識して似せていると思います。)

マグラシアの警告メッセージ(Ghosty Image)はなんと、オリジナルアーサーデントのSimon Jonesが出ています。私は、Simon Jonesが大好きなので、声ですぐわかりました。Simonもダグラスを良く知る友なので友情出演+オリジナルへのオマージュでしょうか。

偉大なコンピューターのディープソウツには、大女優のヘレンミレン。男性を想起させるディープソーツでしたが、彼女の肝の据わった感じで気だるい語り口はディープソーツにピッタリでした。ディープソーツについて言えば、目の向かって右上に、アップルマークが刻印されているのもアップルへの敬意なのか、アップルが出演したかったのか・・・。アップルマークのカメオ出演です。

それと、ジョンマルコビッチも出ています。ぜーフィードの大統領選での宿敵Humma Kavula役です。

マグラシアの上空に突然放り出されたクジラの声は、これもイギリスの人気コメディアンのBill Bailyです。むっちゃ面白いし、音楽のことには無茶無茶詳しく、顔に似合わず楽器も結構こなす人です。(エジンバラフェスの時サインもらいました。)こんな人を、こんな一瞬の声だけで使うのも結構贅沢です。

忘れちゃいけないのがスラーティバートファストのBill Nighy。パイレーツオブカリビアンやトータルリコールにも出ている人ですが、ナイスなおじい様です。当時は、よく、ビルナイが出る映画に遭遇したもんでしたが、スラーティも適役でした!!

と言うことで、イギリス風のジョークに興味がなく、ストーリーだけを追う人にとっては、結構陳腐なお話にうつるかもしれませんが、私には結構良かったと言える作品になっていました。これも監督Garethの手腕でしょう。(Garethもカメオ出演してるはずなんですが、今回見つけられませんでした。初回みた時は見つけられたのに・・)これを機に日本でもこの作品がヒットして有名になれば、、、と思っていたのですが、やはり、そこまではいけなかったみたいです。でも綺麗な映画なので、機会があれば、是非見てくさい。

2021年1月17日 (日)

銀河ヒッチハイクガイド ダグラス・アダムス(1)

ブログ開始の背景にも少しだけ書きましたが、私は、ダグラス・アダムスと言うイギリス人の作家が好きです。

この人は、もともと小説家ではなく放送作家でした。

Monty Python Flying Circusと言う、開始当時には画期的な構成とジョークで一世を風靡し(もちろんイギリスで)、その後日本やアメリカにも渡って非常に評価されたコメディショーがあります。Monty Pythonのメンバーと多少の交流があった彼は、後期のシリーズで脚本を担当したりしています。

実は、イギリスの1980年代くらいまでのコメディアンはケンブリッジやオックスフォードを卒業している学歴の高い人が多く、特にケンブリッジ大学には、非常に有名なコメディのサークル「Footlights」がありました。ダグラス・アダムスもケンブリッジに行ったのですが、大学に入るためではなくFootlightsに入るためにケンブリッジを目指したと言っているくらいです。実際、Footlightsは、多くのコメディアン、放送作家、Producer Directorを輩出しており、BBCへのコネを作るにはうってつけのサークルだったようです。ところが、ダグラスは、Footlightsのメンバーがいけ好かない(選民意識がある)と感じたとのことで、結局長くはいなかったようです。

その彼が、FootlightsつながりでのMonty Pythonの脚本を書いたり、SFドラマ Dr. Whoの脚本を書いたりしながら、銀河ヒッチハイクガイド(原題:Hithch Hiker's Guide to the Galaxy 以降 HHGG)をラジオドラマとして執筆することになったのも、それほど不思議なことではありませんでした。

この作品のタイトルは、ダグラスがヨーロッパをヒッチハイク中に夜空を見上げた時、イギリス版地球の歩き方とも言える「Hithch Hiker's Guide to Europe」に着想を得て付けたと言われており、いわば「宇宙の歩き方」と言うようなタイトルです。で、SF コメディです。SGとコメディの合体は賛否両論あったようですが、とにかく、放送が開始され(1978年)、あまり期待されていなかったのに、第1回の視聴率が思った以上に良かったらしく。それが話題を呼び、第1シリーズが終わるころにはかなりの認知度だったようです。その後第2シリーズが放送され、TVシリーズが制作され、そのころ、小説版も書かれたようです。また2005年には映画化されています。ですが、私は、何と言ってもオリジナルのラジオドラマ版が好きです。

1990年代の後半、イギリスに勤務していた私は、この作品については名前だけ聴いていました。日本の海外ドラマファンの友人たちが、「なんだかとんでもなく面白いらしい」と言っていたからです。ある日、本屋さんでカセットテープに収録されたラジオドラマ版を見つけ、購入し、それ以降ずっと車の中で聴いていました。当時、それほど英語が得意だったわけではなく、しかも、運転中に聞くので注意が継続せず、最初は全くなんの話かわかりませんでした。ところが、カーステがエンドレス再生して、100回くらい聞いたころでしょうか、突然、このストーリーの背景にある「落ち」とでもいう様なものが聞き取れたのです。(これが、Google先生も教えてくれる、The answer to the life, universe and everything です。Google先生もダグラスのファンなんでしょうね)それがとても面白いジョークだったので、もう少しちゃんと聞くようになりました。この時、本当にすごいなと思ったのが俳優さん達の演技力です。と言うのは、何十回も聴いていると、英語がわからなくてもなんとなくストーリーが分かるようになってくるからです。なぜなら単語が分からなくても、その声の抑揚などから、良いことを言っているのか悪いことを言っているのかがおおよそ分かるのです。まあ、子供と言うのはこうやって言語を覚えていくんだな、と実感しましたが、とにかく、大変おもしろい(可笑しい)内容だと言うことがわかりました。

また、語りをしているのが、Peter Jonesさんと言う役者さんなのですが、この方が作品中で、宇宙の豆知識を解説してくれる(ヤッターマンの”解説しよう”みたいなやつ)ところが、またとても良い効果を出していました。この方の声と語り口は、本当に聴いているだけで心地よいと言うこともあるでしょうが、解説の内容もずっと可笑しい説明なんです。ラジオドラマ版でもう一つ素晴らしいのは、音響です。ロボットが歩く時の音や、凄く偉大なコンピューターが喋る時のエコーのかかり方、ヒッチハイクガイドを調べる時の音、その他各種の状況を表す効果音、それらが本当に良い感じで状況をイメージすることを助けてくれるのです。ロボットは、ガシャーンガシャーンと言いながら歩いてくるのですが、その音も本当にすばらしい。この音はTVシリーズにも継承されています。

TVドラマ化はされたのですが、この評判はラジオほどではありませんでした。それは、予算が十分でないSFドラマの典型的なチープなセットのせいではないか思います。それでも、主要な役者はラジオと同じ人が多く、語りも音響も継承されていましたから、それなりには楽しめます。映像化は、ラジオでの視聴者の頭にできたイメージを台無しにしましたが、Peter Jonesの「宇宙ミニ知識」の時に出てくるアニメーションだけは、とても良いできでした。音響にしても、このアニメーションにしても、当時の技術を考えると本当に大変な作業だったと思います。

ラジオ、テレビを通じて、おそらくもっとも人気があったのは、ガシャーンガシャーンと歩いてくる憂鬱なロボット”マービン”だと思います。マービンについては別の機会に説明します。

さて、ダグラス・アダムスは大変惜しいことに2001年に心臓発作で亡くなりました。ちょうど、映画の制作について映画会社と打ち合わせを続けていた時だったので、映画は没になったと思われていたのですが、遺族の協力も得て最終的には映画化にこぎつけることができたので、ダグラスも喜んでいることでしょう。

Google先生との関係については、このブログの最初の投稿にも、この記事にも少し書きましたが、実はダグラス・アダムスはApple社とも深い関係がありました。イギリスでのMacintosh IIの1台目と2台目を買ったのはダグラスだったとか(こちらもケンブリッジ出身のStephen Fryが、「だから僕は3台目を買ったんだ」と言ってたと思います)、あの当時のMacは突然死することが多く、本当に泣かされましたが、それでダグラスは愛用していた様です。彼のMac愛のせいか、ダグラスの若者の中での人気のせいか、ダグラスはAppleの広告塔的な役割も担っていたと思います。そのため、ダグラスの死亡からしばらくは、Apple社のWebサイトには、ダグラスの訃報を悲しむテロップが流れていました。

考えてみれば、銀河ヒッチハイクガイドは、ポケットに入るような四角いもので、聴くと、それを文字と声で教えてくれるデバイスで、今ならiPhoneがあれば簡単に実現できますけれど、逆に若き日のSteve Jobsの想像力をくすぐったかもしれませんね。

2021年1月16日 (土)

パーキンソンの法則 Dr. Parkinson Said(1)

パーキンソンの法則は、一般的には、

「人は与えらえた時間もお金もあるだけ使ってしまう」

として知られています。しかし、パーキンソン博士はイギリスの社会学者で、本当に博士が作った法則は

「役人の数は、仕事の量や有無に関係なく増える」

と言うものです。その率は、発表当初は年率5.75%だったか何かですが、本人も言っている通り、こういう法則が発表されると、組織が膨張を抑えようとするので、発表後の伸び率はもっと減ったようです。それでも、増えてはいったようですが。

それはそれとして、一般に売られている「パーキンソンの法則」(実際には古本しか売ってませんが)は、一般読者向けの本なので、まあまあおもしろおかしく書かれている本です。が、いきなり本編の一行目に「命ぜられた仕事を仕上げる場合、時間はいくらあっても余ると言うことはない」と言う、一般にパーキンソンの法則と言われていることが、「良く知られている事」として紹介されているのです。

パーキンソンの法則が、人は与えられた時間をすべて使ってしまう生き物だ、と言う意味だと思っていた私としては、この書き出しにはびっくりしました。だって、法則だと思っていたこと、つまり、この本で説明されるだろうと思っていたことが、「みんなが知っている事実」、「前提」としていきなり出てくるんですもの。そして、

「仕事の時間に対する需要が弾力的であることからして、事実上為されなければならない仕事の量とそれに割り当てられるべき人員数との間にはほとんど関係がないと言えるようである」

と次のページで断じているのです。たしかに~!前の会社の時、「仕事が増えるから人をよこせ」と何度言ったことか!人数で語るのはなんだかおかしいと思ってたんだよな~、だけど、仕事量と人数の間には関係がない!のか。そう考えれば腑に落ちることがたくさんあるな、とおもいました。

だから普通の人はこの2ページを読むだけで十分得るものがあると思います。

ただ、私は、このシニカルな文章に魅せられて、結局全部読んでしまいました。その中には、どうやって組織が腐っていくか、も書かれており、なかなか面白いです。この本は1961年に日本で出版されているようですが、その後1979年に「新編」として、改訂されたものが出版されています。

なぜ、この本が絶版になってしまったのか、残念でなりません。

 

 

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